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月森 和之
JNC TN9400 2000-086, 103 Pages, 2000/08
「もんじゅ」2次系床ライナのナトリウム漏えい時の機械的健全性を評価するため、溶融塩型腐食による減肉を考慮した有限要素法による非弾性解析が行われている。ライナは薄板であるため、全体の変形を捉える上ではシェル要素モデルで十分であるが、局所的ひずみの取扱いには限界がある。一方、形状不連続部の局所的ひずみを精度良く扱うためには3次元ソリッド要素によるモデル化が必要となるが、実機モデル規模の解析を行うことは困難である。しかし、シェル要素による全体モデルの解析結果から境界条件を抽出し、それを3次元ソリッド要素による部分モデルの周辺境界条件として受け渡す手法が確立されれば、局所的ひずみを直接精度良く評価することが可能となる。本研究の目的は、構造不連続部における変位の受け渡しの際に問題となる要素の違いによる境界での変位の不整合を処理する手法を検討するとともに、これらの手法を組込んだインターフェース・プログラムを作成・検証し、「もんじゅ」の機械的構造健全性を評価するための非弾性解析に適用を可能にすることにある。得られた主な結果は次の通りである。(1)T字やL字コーナー部では2方向のシェル要素で囲まれる領域を定義し、距離に基づく重み関数を導入することにより、また、ライナプレートとフレームの接合部では4節点長方形板曲げ要素の内挿関数を利用して境界での変位の連続性が保たれるような処理の方法を提案した。(2)上記手法を組込んだインターフェース・プログラムの作成・検証を行い、FINASのシェル要素(QFLA4S)の解析結果から得られた変位がソリッド要素(HEX20)による部分モデルの周辺境界に受け渡たされていることを確認した。(3)「もんじゅ」2次系床ライナの減肉連動非線形解析に適用し、ひずみ防止リブ端の溶接部におけるひずみを直接評価して、シェル要素では厳密に捉えることが困難な局所的なひずみ挙動を求めることができることを示した。なお、本事例について、部分ソリッド要素モデルによる解析結果との比較から、シェル要素モデルによる解析結果はひずみを保守的に算出していることを確認した。